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イノベーション

【デジタル地域通貨】電子決済を地方活性化に利用したい方に!活用事例まとめ【2022年】

こんばんは、デザイナーのMです。

昨今、電子マネーによるデジタル決済を利用して消費行動を促したり社会の活性化などを図っていく動きが各地で多く見られます。

 

大阪いらっしゃいキャンペーン2022

引用元: https://osakairasshai.start.osaka-info.jp/

・宿泊・旅行代金総額の40%を割引(上限あり)
・クーポン(紙or電子)を付与

 

大阪であればこの旅行支援が一番有名でしょうか。
余談ですが、私はこういったキャンペーンは近場のホテルで友人と映画鑑賞お泊り会をするのに使っていたりします。たとえ近所であっても「旅先」というだけで財布の紐が緩くなるので、地元の経済に少しだけ貢献しつつプチ贅沢が楽しめます。オススメです。

 

非接触で代金の支払いを行える電子決済サービスは、新型コロナ対策の一環として重宝される中で、体感としてずいぶん身近なものになった印象があります。
世の中のキャッシュレス化はここ数年で急速に進みました。今では普段から紙貨幣や硬貨ではなく何らかの電子決済サービスを支払いの中心にしている方も多いのではないでしょうか。

ところで、実はこういった電子決済が、日本の地方が抱える課題を解決する上でも注目されているのはご存じでしょうか。
今回は、地方創生のために電子決済サービスを取り入れている一例として、「デジタル地域通貨」について少しスポットを当てていこうと思います。

デザイン系の記事とは少し毛色が違いますが、お付き合いいただけましたら幸いです。

 

そもそも地域通貨とは?

特定の市町村やコミュニティ(例:商店街や企業など)内でのみ発行、流通、利用される貨幣のことを「地域通貨」と呼びます。現金の代わりとして商品やサービスを購入することができ、主に20年ほど前を中心に流行しました。

その呼び名のとおり、利用できるエリアや期間を限定して地域内での利用を促す通貨のため、「地産地消(※)」を促進し、地域の活性化に効果があるとされています。
法定通貨ではないため、銀行などに預けて増やすという行為は原則的にできません。経済の活発な循環のために「消費」を目的に発行されます。

※地産地消=地域生産・地域消費の略称。地域で生産された農産物・水産物を、その地域で消費すること

 

かつては地域経済の活性化を目標に、紙幣などの形で発行されていた地域通貨。近年、地方や地域の活性化を目的として、デジタル化の波に乗り、再び注目を集めています。
今回の記事では、そんな地域通貨を電子マネーで運用する「デジタル地域通貨」について、取り入れるメリットやデメリット、実際の活用事例について、以下備忘録的にまとめてみました。

 

・地方でデジタル地域通貨を活用することの4つの長所
・地方でデジタル地域通貨を活用することの4つの短所
・デジタル地域通貨を地方活性化に活用している事例6選

 

電子決済サービスを地方やコミュニティ内で運用してみたい方や、実際の地方での活用事例について簡単に知りたいという方に、少しでも参考になれば幸いです。では、早速見ていきましょう。

※記事は2022年12月現在の内容になります。

 

地方でデジタル地域通貨を活用することの4つの長所

❶通貨に消費者の行動などの情報が一緒に付いてくるので、お金の流れを分析できる

購買行動のエリア外への流出を防止することができる

❸紙ベース中心ではなくなったことにより持続可能な地域活性化を目指すことができる

❹地域社会の経済とコミュニケーションを再構築・循環・活性化できる

 

地方でデジタル地域通貨を活用することの4つの短所

❶初期費用や決済手数料、維持費などのコストが必要

❷導入までにどうしても時間と手間がかかる

❸デジタル上でやり取りを行うため、トラブルや災害などで決済ができなくなる恐れがある

企業間取引などに活用することが難しい

 

デジタル地域通貨を地方活性化に活用している事例6選

■奈良県 天理市デジタル地域通貨「イチカ」

引用元: https://tenri-ichica.com/

地域の活動や健康増進活動などに参加する人に「イチカ」のポイントを贈呈し、そのポイントを地域のお店やサービスに利用してもらうことで地域経済を元気にしよう、というコンセプトで生まれた天理市のデジタル地域通貨です。専用アプリをダウンロードすることで、市内の加盟店で利用することができます。
1ポイントは1円に相当し、イチカのロゴステッカーやのぼりがあるお店が利用可能な店舗の目印となります。ポイントはチャージカードの購入やプレゼントキャンペーンなどにより、取得することができます。

 

■茨城県 守谷市デジタル地域通貨「Morin(モリン)」

引用元: https://www.city.moriya.ibaraki.jp/shikumi/project/local-money/useing_manuel.html

市公式アプリMorinfo(もりんふぉ)に付与されるデジタル地域通貨です。利用にはMorinfoからマイナンバーカードによる本人認証申請が必要となります。
1ポイントは1円に相当し、市内の取扱店舗で利用することができます。「プレミアム付デジタル商品券」の販売や「子育て王国わくわくポイント」の付与などをMorinで行うことで、市公式アプリを地方創生プラットフォームとしてどんどん活用していこうという狙いがあります。

 

■岐阜県 高山市・飛騨市・白川村デジタル地域通貨「さるぼぼコイン」

引用元: https://www.hidashin.co.jp/coin/

専用アプリをダウンロード後、飛騨信用組合の窓口、専用チャージ機、セブン銀行ATM、飛騨信用組合の預金口座からチャージすることで使用できるようになります。
1コインは1円に相当し、各種加盟店で使うことができます。
居酒屋や喫茶店、日々の買い物まで、飛騨地域のなんと約1,900店舗が加盟店となっており、活用が非常に上手なモデルケースとして見ることができます。

 

■新潟県 長岡市デジタル地域通貨「ながおかペイ」

引用元: https://nagaoka-shohinken.jp/digital_nagaoka_pay.html

「ながおかペイ」はキャッシュレス化の推進と地域経済の循環を目指し、長岡市独自の電子地域通貨実証実験として運用が開始されました。専用アプリをダウンロードしてチャージすることで、市内の取扱店で使えるようになるキャッシュレス決済サービスです。
デジタルデータの詳しい分析を行うことで、本格稼働を目指すとともに、地域経済活性化につなげていこうと現在様々な可能性が検討されています。

 

■徳島県 美馬市デジタル地域通貨「MIMACA(みまか)」

引用元: https://www.city.mima.lg.jp/gyosei/docs/366510.html

美馬市内の加盟店のみで利用できる電子ポイントカード「MIMACA(みまか)」。カードのほかに専用アプリでも利用することができるキャッシュレス決済サービスになります。美馬市内の加盟店で「1ミマポ(ポイント)=1円」として美馬市内の加盟店で利用することができます。チャージ(入金)することで繰り返し利用が可能です。
キャッシュレス決済の普及による接触機会の低減を通じた新型コロナ対策であると同時に、市内でのみ利用できる「デジタル地域通貨」の流通による経済の好循環を目指しています。

 

■福島県 会津大学デジタル地域通貨「白虎/Byacco (びゃっこ)」

引用元: https://soramitsu.co.jp/byacco/ja

分散型台帳技術に基づいた地域密着決済ソリューション「Byacco」。会津若松市に位置する会津大学のために開発されたデジタル地域通貨です。これを使えば学生や教員、大学のサポートスタッフ、会津大学への訪問者が食堂や売店などで商品代金などを手軽に支払うことができます。
支払いを割り勘にすることができるシステムがあるのがユニークです。学生には嬉しいですね。
より安全で信頼性の高い決済手段をブロックチェーン技術によって実現しています。

 

活用事例おまけ

デジタル地域通貨とは少し違いますが、デジタル技術で地域振興を行っている事例もいくつか紹介します。

■岩手県 山祇神社「メタバース参拝 / 御朱印NFT/ ビットコイン賽銭」

引用元: https://yamazumi-shrine.net/

新型コロナウイルスの感染拡大による移動制限で、参拝が困難になっている方や遠隔地に住んでいる方に対してご利益をお届けするべく、山祇神社が取り組んでいるのがデジタル化です。境内を3D化することで国内・海外を問わず、どこからでも山祇神社へのバーチャル参拝が可能となっています。お賽銭はビットコインでできます。……ビットコイン!?
また、神主さんがお祓いをした上で御朱印をNFT(※)化して発行されているとのことで、これは非常に面白い試みだと思います。デジタル化しないと時代の波に取り残されるのは神様とて例外ではないということでしょうか。や、八百万…!
という冗談は置いておいて、観光地などのごく限定されたエリアをメタバース化し、「バーチャル●●」を構築することで地方が今後の施策を模索しているケースは今非常に多いので、今後の動向が注目される分野です。

※NFT=偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータのこと

 

■神奈川県「SDGsつながりポイント」

引用元: https://coin.machino.co/kanagawa-sdgs-point

「まちのコイン(※)」に加盟しているお店やスポットでのイベント参加などで得たSDGsつながりポイントのやりとりを通して、地域を良くしたいという身近な活動を楽しみながら実践することができるという取り組みです。
SDGsの達成に向けて地域の社会的課題の解決を図る活動にポイントを利用し、「地域活性化」と「SDGsの自分ごと化」を目指します。

※まちのコイン=お金で買えない体験を通して地域のつながりをつくるコミュニティ通貨。導入エリア多数!
引用元: https://coin.machino.co/

 

 

ここまでデジタル地域通貨を地方創生に活用している事例などを簡単にまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。

点在するコミュニティや集落をデジタル地域通貨によって一か所に集約してサービスの効率的な運用を図る……といった使い方だけでなく、観光地のメタバース化とデジタル地域通貨を融合させる案や、都市機能の効率化を図る「スマートシティ」の実現まで、デジタル技術は地方の景気振興に非常に期待されているということが、少しまとめただけでもひしひしと伝わってきます。

当記事が、地方における購買行動の補助や分析、デジタル技術の導入についてご興味がある方に、少しでも参考になっていれば幸いです。

 

 

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